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2014年4月3日木曜日

【鈴木伸一館長 最近の動向】 鈴木館長 トキワ荘跡地を歩く!

こんにちはスタッフ左エ門です。
ミュージアム館長で、アニメ作家でもある「鈴木館長」の動向をちょっとだけお伝えするコーナーです。

さて、鈴木館長が若いころ、藤子不二雄先生や石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生ら、いまでは大御所と言われる先生方とともに、豊島区のアパート「トキワ荘」で暮らしていたことをご存じの方も多いかと思います。
先日、手塚治虫先生のサイトにて、鈴木館長がトキワ荘跡地を歩くという記事が掲載されました!
トキワ荘跡地と言えば、観光に来たファンのための“お休み処”が完成したというニュースも流れましたね。
今回の記事では、鈴木館長もこのお休み処を訪ねています。
この記事を読んで、もし興味をもたれたら、ぜひトキワ荘お休み処にも立寄ってみてください!

 手塚治虫オフィシャルサイト内コラム“虫さんぽ”

スタッフ左右衛門

【再掲】■うたとメロディ♪アニメーション特集■ アニメシアター上映作品紹介~政岡憲三~

うずたかく積まれた大雪の思い出は、溶けた場所に残る砂利だけとなりました。
本当にたくさん雪が降りましたよねー!
空がだんだん明るくなり、庭先の梅もすっかり満開となりました。
太陽の光を浴びて、ぽっかぽかになれる春の到来ですね。
花粉にPM2.5などという、おっそろしいモノもやってくる春ではありますが、それでも!暖かくなり命が芽生える春はいいものです。
さて、アニメシアターで上映している【アニメシアター傑作選】は、”うたとメロディ♪アニメーション特集”に変わります。
歌や音楽に合わせて動くアニメーションを楽しみましょう。

今回ご紹介するのは、「日本のアニメーションの父」と評される政岡 憲三【まさおか けんぞう、1898年(明治31年)10月5日 - 1988年(昭和63年)11月23日】さんの作品です。
政岡 憲三さんは、第二次世界大戦の前からのアニメーション作家です。
それまでは主に「切り紙」で作られていた日本のアニメーションでしたが、初めて「セルロイドフィルム」を全画面に導入してアニメーションを作った方なのですよ。

2014年03月04日(火)~07日(金)上映予定の
『茶釜音頭』('34)
『桜』(春の幻想)('46)
の、2本のアニメーションを紹介します。

『茶釜音頭』1934(昭和9)年公開/11分/モノクロ/トーキー
制作:政岡憲三(政岡映画美術研究所)
演出:桑田良太郎
作画スタッフ:熊川正雄

ぶんぶく茶釜って知っていますか?それは、お茶を沸かすための鉄釜に化けた、一匹の狸の事なんです。
このアニメーションにも、たくさんの狸が出てきますよ。
ここは十奇山の奥にある萬華寺。大きな本堂には大きな仏様も安置してある、それはそれは立派なお寺です。
大きなお腹の和尚さんと、可愛い小坊主さんは、月を見ながら蓄音機で盆踊りのレコードをかけて、歌えや踊れの月見を楽しんでいました。(東京音頭が聞こえてきます)
山の狸たちも、その音楽を聞きながら楽しく踊っておりました。ところが、踊り疲れた和尚さん達は、そのまま眠りこんでしまい、楽しい音楽が途切れてしまいます。
狸一族の長男ポン吉は、人間に化けて蓄音器を思いのままにしようと、人間に変身してお寺に忍び込む計画を立てました。
雲の上をスキーで渡りきったポン吉は、お酒で酔っ払った和尚さんの枕もとから、蓄音機を盗み出します。
もっともっとすごい獲物は無いかと思ったポン吉は、お寺の奥へ奥へと進んで行き、ついには罠にかかってしまいます。
なんということでしょう。
恐ろしい顔つきの老婆が、捕まえたポン吉を狸汁にして食べてしまおうと、包丁を研ぎ始めたではありませんか。
ポン吉危うし!さあ、ポン吉はこれから、どうなるのかな?
続きはぜひ、アニメシアターまで見にきてね!

『桜』1946(昭和21年)完成(未公開)/8分/モノクロ 
監督:政岡憲三(日本漫画映画社)
撮影:西倉喜代次
作画スタッフ:清水秀雄 福井栄一 長沼寿美子

『桜』は、クラシックの名曲(ウェーバーの「舞踏への勧誘」)に乗せて、美しい京都の風景が映り変わる、芸術的なアニメーションです。現代ではPVと表示されたりする、音楽のプロモーションビデオや、ミュージックビデオと呼ばれる、イメージアニメーションですね。
サブタイトルに「春の幻想」ともあります。大勢の目に触れることなく、未公開のまま保管されていたので、仮タイトルも残っているのでしょうか。
戦後すぐに作られたこの作品には、平和の大切さや愛おしさが、たいへん抒情的に描かれています。
残念ながら当時は、高尚過ぎて一般大衆向きではないとされ、お蔵入りとなってしまいましたが、クラシックの音楽に乗せて動く美しいアニメーションですね。
この作品は長く暗い戦争が終わった直後に作られたものですが、革新的な表現や、イメージだけで、物語を持たないアニメーション作品は、当時の人々には理解してもらうことができず、長らく上映されなかったそうです。
音楽はウェーバーの「舞踏への勧誘」 踊り出したくなる軽快な曲です。
京都の嵐山には、春になると美しい桜が沢山咲きます。京都育ちの政岡憲三さんならではの、美しい日本を全力で描いた映像にも、その桜がふんだんに出てきますね。
モノクロのみの映像ですが、フラワーフェアリーの姿をした桜の精が、手に手を取り合って桜吹雪の中で舞い踊ります。愛らしい姿と背中の羽根が、咲き誇る桜の花弁の間で、ふわふわと飛び回るのです。
日本の桜の美しさと儚さ、やっと訪れた春を祝う気持ちが、いっぱいに詰まっています。静かに流れる小川を進むのは、船頭さんが操る小舟です。舟に乗っているのは、京都でしか出会えない舞妓さんですね。
底の厚いぽっくり下駄を履いて、ぱたぱたと桜吹雪の中を走ってゆきます。日本髪に奇麗な帯をしめた、着物姿も愛らしい、何人もの舞妓さん達が、笑いさざめきながら、舞い散る桜の下でくるくると回り続けています。
恐ろしい戦争の時代が終わり、温かで優しい本当の春が来たのです。
ちょっと早いお花見気分を、嵐山の桜の中で味わってみませんか?

■『茶釜音頭』('34) 『桜』('46)15分
  制作:政岡憲三
  上映日時
  4月1日(火)~4月4日(金)
  ・11:00~
  ・13:30~
  ※1日2回上映です。

そして次回の【アニメシアター傑作選】紹介作品は・・・
デイブ・フライシャーさんのアニメーション『丘の風車小屋』(34')、『若き日の思い出』('35)の2本です。
どんなアニメーションかな?お楽しみに!

スタッフ:めぐる

2014年4月2日水曜日

 『トムス・エンタテインメント アニメと歩んだ50年展』開催

1964年のテレビアニメ『ビッグX』の放送から数多くのテレビ・劇場アニメを世に送り出してきたアニメーション制作会社「トムス・エンタテインメント」が、今年でアニメーション制作50周年を迎えます。
『ルパン三世』、『名探偵コナン』、『それいけ!アンパンマン』といった現在まで続く名作の他、『天才バカボン』、『巨人の星』、『ベルサイユのばら』などの名作・話題作がおなじみです。
杉並アニメーションミュージアムでは、トムス・エンタテインメントの50年間の歩みを作品年表や作品紹介パネル、そして貴重な制作資料やシアター上映で紹介します。
また、新作の『劇場版 名探偵コナン』や『弱虫ペダル』の情報展示もあります。


(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/「弱虫ペダル」製作委員会2013 
(c)鈴木ジュリエッタ/白泉社・神様はじめました製作委員会
原作:モンキーパンチ (c)TMS 
(c)ヴァンガードプロジェクト/テレビ東京 (c)Genji製作委員会 (c)SEGA TOYS / SPIN MASTER / BAKUGAN PROJECT
(c)2005美内すずえ・白泉社/ガラスの仮面製作委員会 (c)河井リツ子/小学館・SMDE 
(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996 (c)CLAMP・ST/講談社・TMS 
(c)やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV (c)1988マッシュルーム・アキラ製作委員会 (c)北条司/NSP・TMS 1983 
(c)はるき悦巳/家内工業舎・TMS (c)光プロダクション・TMS (c)池田理代子プロダクション・TMS 
(c)斎藤惇夫/岩波書店・TMS (c)山本鈴美香/集英社・TMS (c)TMS (c)吉沢やすみ/オフィス安井・TMS
原作:モンキーパンチ (c)TMS
(c)赤塚不二夫/TMS (c)浦野千賀子・TMS (c)梶原一騎・川崎のぼる/講談社・TMS (c)手塚プロダクション・TMS

■■■基本情報■■■
●開催期間
 2014年4月16日(水)~7月13日(日)
●開催地
 杉並アニメーションミュージアム内会場
●開館時間
 10時~18時
 〔入館は17時30分まで。企画展最終日(7月13日)は16時で閉館〕
●休館日
 毎週月曜日(月曜が祝祭日の場合は開館し、翌平日休館)、臨時休館有
●入館料
 無料(シアターを含めて無料)
●主 催
 杉並アニメーションミュージアム
●企画・協力
 株式会社トムス・エンタテインメント

■■■内 容■■■
【展示内容】
◎作品年表
トムス・エンタテインメントが制作してきたアニメ作品の数々を年表で紹介。小さい頃の思い出がよみがえります。
◎作品紹介パネル・資料展示
数多くのアニメの中から、代表的な作品を解説パネルと貴重な制作資料で紹介します。
◎主題歌オープニング映像集・最新作の予告PV集
会場のテレビモニターでは、代表的な作品のオープニング映像を上映します。思わず、口ずさんでしまう曲ばかり。
さらに、最新作の予告プロモーション映像も上映します。

【アニメ上映】
アニメシアターでは、トムス・エンタテインメントが手がけた、いろいろなジャンルのアニメ作品を上映します。

≪上映予定作品≫
◎怪物くん(1968年)
◎天才バカボン(1971年)
◎ルパン三世〔第2シリーズ〕(1977年)
◎ベルサイユのばら(1979年)
◎劇場版 名探偵ホームズ(1984年)
◎魔法騎士レイアース(1994年)
※上映作品は、変わる可能性があります。
 詳しくはシアター情報ページで発表いたします。


(c)RAI・TMS

【関連イベント】
◆◆お絵かきコーナー◆◆
お手本を見ながら「パンダコパンダ」と「KUBBE(キュッパ)」を描いてみよう!

その他のイベントは、決定次第、随時こちらのページで発表していきます。

関連リンク:
トムス・エンタテインメント公式HP

2014年4月1日火曜日

毎月恒例『紙芝居』開催!〔2014年4月27日/5月25日/6月29日〕

ミュージアムでおなじみになっております『紙芝居』の次回の開催が決定しました!
まだ見たことな~い…という方、ぜひ一度お越しください!
行われるのは、杉並区民が作って語る『すぎなみ昔話紙芝居』です。
小さなお子さんだけでなく、紙芝居を見たことがないお父さん、お母さん、そして紙芝居が懐かしいもっと大人の皆さんでも、きっと楽しめます。
そして、アニメーションとは一味違う、ライブ感をお楽しみください!




■開催日時
2014年4月27日(日)
2014年5月25日(日)
2014年6月29日(日)

 口演は、各日の午後12時と午後14時の2回行います。
 だいたい1回40分くらいです。
 途中から見てもOK!

■場所
杉並アニメーションミュージアム4階

■費用
無料です。

■定員
特にありません。
事前申し込みも必要ありません。

■内容
すぎなみ昔話紙芝居一座「すかい」のみなさんが、杉並区にのこる昔話を紙芝居にしました。
このうちの3~4話を語ります。
おもしろいだけじゃなく、杉並区のいろんなことがわかっちゃう!
あと、クイズコーナーもあるよ!

■主催
NPO法人 図書館サービスフロンティア

関連リンク:
「すかい」さんのブログ

2014年3月25日火曜日

■うたとメロディー♪アニメーション特集■ アニメシアター上映作品紹介~ウィルフレッド・ジャクソン、ルドルフ・アイジング、ヴァーノン・スターリング~

3月25日(火)~3月28日(金)
「子守歌」(‘33)ウィルフレッド・ジャクソン
「人魚の踊り」(‘38)ルドルフ・アイジング、ヴァーノン・スターリング
の2本の見どころ紹介です。


スタッフ日誌をご覧の皆様こんにちは☆
仕事が休みの度に天候不良で洗濯物がたまりまくっている雨男ことスタッフのハマです。
日照りが続き、稲穂が枯れ、今年の農作物に影響が出るのでは…っとお思いの農家の方は是非、私にご一報下さい。
あっ…でも責任は負いかねますのであしからず☆
さて、そんな事はどうでもよくてアニメシアター平日上映傑作選、思わず歌って踊りたくなる、そんな2作品のご紹介でぇ~す☆


ウィルフレッド・ジャクソン(1906年1月24日~1988年8月7日)
1928年ウォルト・ディズニー・プロダクションに入社。
1961年の退社までの間、誰もが一度は観た事がある「ピーター・パン」や「シンデレラ」「ふしぎの国のアリス」などの監督を務めたヒットメーカー。
その多大なる功績が認められ、1998年にはウォルト・ディズニー・カンパニーに貢献した人物に与えられるディズニー・レジェンドを受賞。
う~ん…これほどのビックタイトルを世に放ってるなら誰もが納得の受賞ですね☆


そんなウィルフレッド・ジャクソンさんが1933年に手がけた「子守歌」をちょっとだけご紹介。
誰もが幼いころ、枕元で歌ってもらったであろう子守歌を題材にした、とてもディズニーらしい作品です。
愛らしいけどちょっぴりわんぱくな赤ん坊が子守歌にいざなわれて夢の世界へ…。
眠りにつくまでは赤ん坊の枕元でちょこんと座っていたイヌのぬいぐるみが、元気よく動きだします。
そこは“物に命が吹きこまれた不思議な夢の世界”だったのです。
ディズニーお得意の凝人化を多彩に盛り込み、歌って踊れる愉快な世界感に眠気もぶっ飛ぶ作品となっています。


さて続きましては傑作選2本目の「人魚の踊り」を手がけたルドルフ・アイジングさんをご紹介。
ルドルフ・アイジング(1903年8月7日~1992年7月18日)
ディズニーの元で「しあわせウサギのオズワルト」などの作品の制作に参加、今やディズニーの代名詞となった「ミッキーマウス」のモデルとなるネズミのスケッチを提供したルドルフは、ディズニーの元を離れた後も様々な作品を手がける事になります。
“今のディズニーがあるのはルドルフさんのおかげ!!”っと言っても過言ではないかも…。


さてルドルフ・アイジングさんの事を学んだところで、彼が1938年に制作した「人魚の踊り」を、こちらもちょっとだけご紹介。
かわいらしい人魚たちが暮らす海。
海では様々な海洋生物達が楽団を組み、海の生物ならではの音楽を奏で、海底をパレードします。
これだけでも充分楽しそうなのに海のサーカス団まで登場しちゃってボルテージは上がりまくりです。
“海はうす暗く、なんだか怖い”っという恐怖心を抱いている方でも、この海の楽団たちが奏でるメロディーを聴いてしまえば、楽しさ100倍!!間違いなし☆
そんな歌とアニメの融合と調和を見事に成功させた「子守歌」「人魚の踊り」の2本を是非、アニメシアターで観てみてくださいネ☆


■「子守歌」(1933年)
  監督:ウィルフレッド・ジャクソン
■「人魚の踊り」(1938年)
  監督:ルドルフ・アイジング、ヴァーノン・スターリング
上映時間:計16分
3月25日(火)~3月28日(金)の4日間
・午前11:00~
・午後1:30~

スタッフ ハマ

2014年3月18日火曜日

◆◆◆2月のパラパラアニメ大賞◆◆◆

3月も中旬を過ぎてやーっと春らしい陽気になってきましたね。
わたくし、早くお花見したくてウズウズしておりマス…。
満開の桜の下をお散歩したり、お花見したりも楽しいですが、
インドア派の方には、“桜”や“春”がテーマのアニメ観賞をオススメします♪
タイトルに“さくら”と入っているも良し、作中にアイテムやモチーフとして出てくるものもありますね!アニメで季節を感じてみるのも面白いデスヨ☆


さてさて、
そんなお花見に浮かれる気持ちもちょっと横に置いて……、
お待ちかね!2月のパラパラアニメ大賞を発表いたしまーす!

今月のパラパラアニメ大賞は………、

「うちの猫」 あらいみえこ さん (32才)



ねーこーかーわーいーいー!(*≧∇≦*)

あくびをする表情がなんとも言えないっ!
そして爪とぎ、カリカリ…。
さりげなく手前のエサもなんかうごいてるぅぅぅっ!!

作者のあらいさんによると、この猫ちゃんはご自宅で飼われている猫ちゃんなんだそうです♪
さらにこの作品、本当はもう少し続きがあったそう…、
またご来館された際にはぜひ続きを描いていってくださいね☆
可愛いだけじゃなく、しっかりと動きが描けているのが今回の得票数につながりました。

あらいさん、おめでとうございます!!


今回、惜しくも大賞を逃した入賞作品は、

「ウメェ!!」 マスカルポーネ さん
「もちつき」 カルボナーラ さん  ・・・でした。

こちらの2作品は、ミュージアムのパラパラアニメコーナーで大賞作品と合わせてムービーを流しています!
参加者のみなさんの力作をぜひ見にきてくださいねー♪


★おねがい★
パラパラアニメのうけつけは、毎日4:30までです。(お休みすることもあります)
さつえいに時間がかかるので、土・日・祝日はとくに、お待ちいただくことがあります。
時間によゆうをもって作ってくださいね。

※動画データーのとりおきについて
記録媒体(CD-R・USBメモリースティック・SDカード等)をお持ちいただければ、
無料でパソコンで再生できる動画データーをお持ち帰りできます(1枚¥100でCD-Rも販売しています)。
再訪時に持ち帰る場合、データーの取り置き期間は、1か月までとさせていただきます。
あらかじめご了承ください。

スタッフ ぷこ

■うたとメロディ♪アニメーション特集■ アニメシアター上映作品紹介~久里洋二~

杉並アニメーションミュージアムでは、平日の11時と13時半に普段では、なかなか見る機会のない、貴重な昔のアニメーションを傑作選として上映しています。今回、紹介するのは久里洋二さんのアニメーションです。
TV「11PM」「ひょっこりひょうたん島」「みんなのうた」などの作品を手掛け、新潮社の「とんぼの本」ロゴマークをデザインした人です。杉並アニメーションミュージアムが、久里さんのナンセンス・アニメーションに染まります。
あまりの不思議な世界観に、音楽も異界の曲に聞こえてくるような気分です。はたしてどんな世界観なのか?
少しの間お付き合いください。

まず、ひとつめ。

『FLOWER』(1967年)
男が手にしたのは一粒の種。
芽が出て、花が咲き・・・となるのですが、まずこの花がただの花ではありません。人よりも大きくなってしまう花なのです。
人どころか、小山のてっぺんを覆うぐらい大きい花になってしまうのです。その後何が出てくるのか。
久里洋二さんのショートアニメ。
何がどうなるのかは見てのお楽しみです。

ふたつめ。

『MAN and WOMAN and DOG』(1964年)
『FLOWER』が花の話なら、こちらは「男と女と犬」の話なのです。が、やはり単なる「男と女と犬」ではすみません。突然演歌風の曲が流れてきて、男が女に会いに来たかと思えば、女を慕う犬が何度も男を女から離そうと試みます。
ところが、女は男にくびったけ。男と女と犬の滑稽でいて面白い追いかけっこ。
次に何が起こるのか全く予想がつかない、変幻自在のアニメーションと歌との両方が楽しめますよ。
この世界観に驚きの連続です。

みっつめ。

『SAMURAI 侍』(1965年)
前のふたつの作品の世界観を裏切らないみっつめの作品。侍というからには刀とちょんまげだよね!と思っていたら・・・刀はシャープペンシルの芯みたいに細い棒一本で描かれているし、ちょんまげでもない。着物すら着ていないなんて、びっくりです。
2階建ての建物より大きな女を取り合って、小さな2人の侍が戦います。
女が大きすぎるのか、はたまた侍が小さすぎるのか、見る側も脳内での戦いを強いられます。女の涙が地面にこぼれおちると草木が生える。ひょっとしてこの女は神様か?いや、和風に言うなら観音様?

おそらくどころか、確実にこの文章では正しく映像をイメージしていただける自信が持てない。と思いながらも、これが見た通りの説明なのです。
見なければ分からない、ナンセンス・アニメーションな久里洋二ワールドであります。これぞ映像で見てみないと分からない作品といってもいいのかもしれません。
一度見たあなたは、もうこの世界観のとりこになってしまうかも?!

【上映日時】
『FLOWER』『MAN and WOMAN and DOG』『SAMURAI 侍』 久里洋二
3月18日(火)~3月20日(木)
11:00~/13:30~

来週の傑作選「うたとメロディ♪アニメーション特集」は『子守歌』ウィルフレッド・ジャクソン、『人魚の踊り』ルドルフ・アイジング、ヴァーノン・スターリングです。お楽しみに!

スタッフ・セイカ